「きみがいた時間、ぼくのいく時間」

今週は娘。現場がないので、昨日キャラメルボックスの「きみがいた時間、ぼくのいく時間」を見てきました。


昨日といえば3/14、3/14といえば皆さんもご存知の通り円周率の日です。ちなみにギネスブックによると円周率の暗唱記録保持者は日本人で、記録は10万桁だそうです。ぜひベリーズ工房徳永千奈美さんにも挑戦して欲しいところですね。


んで、「きみがいた時間、ぼくのいく時間」ですが、梶尾真治原作のクロノスシリーズの第4番目の作品です。一昨年の「クロノス」去年の「ミスダンディライオン」・「あした、あなた、会いたい」の3作を原作者の梶尾さんが見て、それまで、アニメならまだしも僕の作品を舞台化って無理だろうと思っていたという梶尾さんが、すっかり気に入ってしまい思わず、キャラメルでの舞台化のために書いた続編のようです。


主役の男性は、劇団の人気俳優「上川隆也」をイメージしたとのことで、今回は、3年ぶりに上川隆也が舞台に戻ってきます。上川隆也といえば、NHK大河ドラマ功名が辻」でで山内一豊の妻の夫を演じてたり、テレビ版の「雨とゆめの後に」とかで主役もやってたので知ってる人もいるかと思います。あとは古いですけど「お水の花道」とか「青の時代」とかね。あんま、ドラマ見ないので最近は何に出てるのかよく知らないんですけど。テレ東の正月にやってる長い時代劇で「竜馬が行く」の坂本竜馬もやってました。


前のクロノスシリーズで、出てきたのはクロノスジョウンターという物質を過去へと飛ばす機械でした。ただし、過去にとどまれる時間は短く最初の実験では数分、最終実験では数日だった。そして、その後は現在よりもはるか未来へはじき飛ばされるとう代物でした。


今回の舞台では、クロノスジョウンターの開発は中止になっていますが、同時並行で開発されていたクロノススパイラルという機械が登場します。これは、時の流れというと人は川を思い浮かべるが、じつは銀河のような大きな渦を形成していて、中央から外側へと螺旋を描いて流れているという理論のもと、その螺旋の内側へ物質を移動させる機械です。ただし、39年前にしかいけません。螺旋のはばが39年周期だからだそうです。そしていったら現在へは戻っては来れないみたいです。主人公は、この機械に使われるエネルギー部門を担当しています。


これ以上はネタバレになるのでひかえますが。見ての感想は、いやーここ数年で一番面白かったです。また、これが気持ち良いくらいに泣けるんですよ。キャラメルといえば、泣きなんですけど、それって切なかったり、熱かったりでいろいろなんですけど、今回はなんで泣いてるのか自分でもわかんないんですよね。もう、いろいろな感情がいりまじって、感無量になっちゃうんですよ。で、気がついたら目からボロボロ涙が出てました。


んでもって、なんか心の中の悪いもんでも出したかのように観劇後は妙に晴れ晴れした気分で、今日からまた頑張ろうって気になった。なんていうんですか、例えると、京極堂中禅寺秋彦さんに憑き物を落としてもらって「この世に不思議なことなど何一つないのだよ、てってけ君」と言われたときのような気持ちというんですか。そんな経験はないんですけどね。


やっぱキャラメルボックスはすげーな。おじぎはおじぎで楽しかったけど、終演後にもやもやしたのは、この感覚がなかったからだな。べつに「おじぎ30度オンステージ」がだめだという意味ではないですよ。てってけは舞台というとキャラメルが80%なので、自然とこの後味を求めてしまうんですよ。娘。の春ツアーをまえにいいリセットになりました。


TVに魂を売った男:上川隆也のカーテンコールでの挨拶によると、キャラメルは今年あと5作品の上演を予定しているそうです。
上川「ま、他人事ですけど」とw
岡内「思い出したらまた来てください。私達はいつでもここにいます(上川隆也を除く)」
5作品かぁ。そうそう、今回感心したのは、今回のキャストって、これまでの3作の主要キャストを演じた役者さんは岡内さん意外は起用してないんですよね。まぁ、過去や未来の人はしょうがないとして、1作目で跳んでったかんのりょういちに間違われがちな、菅野良一(すがのよしかず)さんや、2作目で跳んでった大内厚雄さんや、3作目の岡田さつきさんとか、あとは3課でジョウンターを開発してるはずの、細見さんや前田さんとかね(今回は4課が舞台なので)。もちろん両方の課を束ねる、野方部長さん(西川さん)は出てきますが。


この辺は作ってる側のこだわりを感じます。他の作品でも、例えば「銀河旋律」このblogのタイトルにも使わせてもらっていますが、「銀河旋律」の時間管理局の職員が、ついつい同じ時代にいったのをいいことに、自分の母親の若い頃を見に行ったという話をしますが、はっきりとは描かれていませんが、その行った時代というのは、タイムマシンの開発を舞台にしたお話「キャンドルは燃えているか」の時代で、そのなかに登場するカップルの子供が、「銀河旋律」の時間管理局の職員だろうということを、同じ役者を使うことで連想させたりしますし。確か、初演はどちらも今井さん、再演は篠田さんです。



最後に「カレッジオブザウィンド」のDVDが欲しかったけど、売ってませんでした。売り切れ?しょううがないので、「ナツヤスミ語事典」のDVDを買ったよ。


僕の知り合い主に娘。系ハロー系のヲタ友ですが、気に入ってもらえてるようで、キャラメルボックスは見に行ってくれています。また、このページを見てくれてる方にも見に行ってくれてる方が何人かいらっしゃって、たまにメールをいただきます。このページを巡回してる方であれば、絶対に気に入っていただけると思います。また、チケさえ確保すれば、デートにも最適です。とくに付き合って間もないあたりとか、最初に誘うデートなんかにもいいですよ。